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足場を使った工事で、どうしても隣地に入る越境が必要になることがあります。
特に都心部の住宅など、敷地いっぱいに建物を建設していることが多いので、隣地との距離が極端に近く、足場を立てるために、越境することも少なくないのです。
できれば、お隣さんには迷惑をかけたくない…と思われる方も多いのではないでしょうか。
足場工事における、隣地に越境する場合の、対応方法許可についてご紹介していきたいと思います。
足場工事における越境問題
足場で隣接している家に侵入しなくてはいけない場合、2通りの方法があります。
まず、隣地が敷地内への越境を許可してくれる場合は、通常通りに足場を組みます。
次に、足場を組むのが難しい場合「空中越境」を行うことになります。
空中越境とは建物に沿うように敷地のギリギリの場所に足場を立てていきます。
さらに人が立っても頭が当たらない高さの位置から、空中にせり出すような形で足場を組んでいく方法です。
空中とはいえ、隣地の家にはみ出している状態になってしまいます。
許可をもらえるかどうかによってどちらの形になるのかが決まってきます。
ちなみに足場の設置をするためには、最低限必要な幅は「50㎝」です。
50㎝程度確保できるかどうか、50㎝未満の場合は足場の設置が難しくなるため対応を考える必要はあります。
また、足場と建物の間に必要な距離は60㎝程度です。
他にも、隣家の外壁が耐火構造になっていない場合は、十分な幅があっても建築はできません。
隣地が外壁に何を使っているのかは素人ではわからず、この点は判断するのが難しい部分もあると思います。
足場工事の幅が十分にとれない場合の対処法
隣地との距離が十分になく足場を作る幅が作れない場合の対処法です。
まず、近隣の住宅に敷地仕様の承諾を得られるかどうかを確認して交渉します。
近隣の敷地仕様の承認については、民法209条に明記されています。
民法第二百九条(隣地の使用請求)
土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
2 前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。
との取り決めがあります。
ただし、足場工事の越境についてはトラブルも多く、実際に問題になっている部分もあります。
そのため、足場工事のときに、担当者に立ち会ってもらう方法もあります。
トラブルになるケースの多くは、思わぬ物損事故や人員の態度やマナーの問題、部材をそのままにして片づけていないなどの問題の積み重ねです。
一度悪いイメージがついてしまうと、その後の隣地との関係にも影響してきます。
こうしたリスクを避けるためにも、担当者が足場の建築の際には立ち会うようにすることで、トラブルを未然に防ぐことにもなります。
越境だけに限らず、足場の柱一つでも隣地に入ってしまうときや、車との距離が近く駐車場に足場がかかることもあるかもしれません。
さらに、足場を作るときにその材料を運搬するトラックを使います。
駐車スペースも必要になるため、どこに置くのかなどの問題も出てきます。
こうした足場建築に関わるトラブルも、事前に対応方法を決め許可をとることで、お互いに余計なトラブルを防ぐことにもつながります。
足場工事の越境の許可取り方法
足場工事の業者によっても対応が変わってきます。
もし越境が必要になるときは、隣地のアパートや戸建にお住いの方やオーナー様に直接話します。
賃貸なのか、それとも持ち家なのかによっても対応方法が変わってきます。
賃貸の場合は、お住いの方だけでなく所有者の方にも許可をとる必要がでてきます。
そこまでできてやっと許可がとれていることになるのです。
相場工事の施工計画を立てて、そのなかにどんな施工を行うのか内容を説明し、足場の立て方、解体に地位についても詳細に説明していきます。
これだけの流れを納得してもらったうえで、実際に足場を立てていくようになります。
また、工事の前にあいさつに出向くようにして、直接隣地の方と話をすることも大切です。
特に小さなお子様がいるご家庭や、日中家にいるご家庭の場合は、騒音などのトラブルも考えられます。
いつどこでどんな工事が行われるかを伝えて許可をとることが大切です。
安全に工事を行うためにも、事前準備をしっかりと行うようにしましょう。
まとめ
足場工事で隣地に越境するケースは少なくありません。
事前に説明し許可をとるなど丁寧な対応をしているかどうかでも印象が変わってきます。
その場合の対応方法について説明しましたが、それでも思い通りになるとは限りません。
足場工事が必要なときは業者と相談しつつ、どんな対応をしてくれるのかも確認しておきましょう。
また、担当者に立ち会ってもらうなど、一工夫でトラブルが防げる場合もありますので、相談しておきましょう。