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足場には「スパン」と呼ばれるものがあります。
足場について専門用語も多く細かな規定も多い為、分かりにくい…と感じている人も多いのではないでしょうか。
そもそも足場のスパンとは何か?許容荷重なども含めて詳しく解説していきます。
足場のスパンについても熟知したうえで、安全に作業ができるようにしていきましょう。
足場のスパンとは
スパンとは、建地と建地の距離・間のことをいいます。
建物は、どんなものでも床と屋根などの水平線と鉛直構面の組み合わせになります。
足場になると、鉛直構面のことになり、支柱である建地と布の構造部分にて形を作っていきます。
そのため、1構面は「層」と「スパン」によって構成されています。
ちなみに層とは、作業床とその間にある空間部分を指しています。
スパンは、全長でも1.85mを上限としているため、それに合わせ作業床は1.8mまでの基準が設けられています。
これは、労働安全衛生規則によって厳格に定められているものになり、足場の種類によっても変わってきます。
鋼管足場においては、「建地の間隔は、けた行方向(作業床を取り付ける面に平行の方向)を1.85m以下、はり間方向(腕木を取り付ける作業面に垂直の方向)は1.5m以下とすること」(571条1項1号)との規定もあります。層においても布の間隔を2m以下にするなどの規定があります。
ただし、労働安全衛生規則によって決められたものは
- 作業の必要上であること
- 難しい場合は対象外であること
も覚えておきましょう。
このケースでは、一定の措置を講じた場合は、適用しないという記載もあります。
建地の間隔や布の高さに置いては部材の強度によっても荷重に相関関係があるため、適用外とする場合もあります。
スパンの長さも通常であれば1.85mと決められていますが、これ以上の長さの建地を設置することも。
足場については、必ずしも同じ状況とは限らないからこそ、労働安全衛生規則の規定外となるケースもあるのです。
足場のスパンの長さについて
ピケ足場で使われているスパンは一般的な1.8mのもの以外にも1.5mや1.2m、0.9m、0.6mなどのサイズがあります。
この数字からもわかるように、スパンの長さは300の倍数によって表現されていいます。
これでも対応できない敷地が狭いケースは、0.15mのスパンや手すりなどもあります。
ちなみに現場で職人さんが「1スパン」といえば、一般的な1.8mのものになりますし、3スパンといえば3つ用意するため5.4mとなります。
スパンと表現する人もいれば、「1間手摺り」や「3スパントラス」などの部品で表すこともあります。
伝え方は職人さんによっても変わること、メートルで伝えるよりもしっくりくるため、スパンなどの表現で統一して使っているともいわれています。
足場スパンの上限として、壁つなぎや控えなどは単管の足場で「縦に5m以下横に5.5m以下」になり、くさび式足場でも同じ設置間隔で決められています。
ただしピケ足場についてが、二階層や3スパンの間隔以内であれば、労働安全衛生規則の規約内として認められるようになります。
足場のスパンの許容荷重について
足場のスパンで最大の積載荷重についても、説明しましょう。
現場の作業を安全に行うためにも必ず把握しておかなくてはいけない部分です。
どの足場を組み立てるのかによっても変わってきますし、どんな資材を使うのかによっても差があります。
これらの基準は労働安全衛生規則によって、どのように算出するのかも明確に決められているものがあります。
命に関わることだからこそ、どの程度の荷重に耐えられるのか熟知しておくことも必要です。
足場の最大積載荷重は、1スパンで150㎏以下と設定されています。
建地1本あたりは100㎏となるため、両方を合わせても400㎏以下などの決まりもあります。
許容荷重については、布板1枚が耐えられる範囲の重さのことをいいます。
例えば1枚の布板で耐えられる荷重よりも、2枚のほうが多いのはイメージしやすいのではないでしょうか。
枚数が増え範囲が広くなればそれだけ重さに耐えられるようになります。
幅によっても許容荷重が変わってくると覚えておきましょう。
足場を組んだときに、許容荷重については労働者に周知させる必要があるため、表示は欠かせないものです。
安衛法の第562条にて定められているものになり、正しい情報をわかりやすく表示する必要があるのです。
内容がでたらめのものでは意味がありません。
何のために表示するのかがわかれば、スパンの許容荷重についての表示の意味も理解できます。
まとめ
足場のスパンについてわかりやすく説明しました。
実際に現場では知っていて当たり前で会話が繰り広げられることも少なくありません。
そのためスパンとはどういうものか、なんのために労働者に伝える必要があるのかも考えていきましょう。
表示を見ている側も、本当にこれが正しいのか、ある程度の知識がないと判断できません。
足場のスパンについても、十分に知るようにしておきましょう。