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足場の筋交いとは?役割と設置方法について

足場の筋交い

足場でよく見かける柱に「筋交い(すじかい)」と呼ばれるものがあります。
交差するように斜めに入れている部材になり、大きな足場などで見たことがあるのではないでしょうか。
そもそもこの筋交いにはどんな役割があるのか、設置方法も紹介していきます。

筋交いの役割とは

足場

筋交いは、柱と柱の間に斜めにいれるものになります。
地震や強風でも倒れにくくするために設置しており、壁の強度を高めています。
実際に筋交いのない壁になると、ちょっとした力が加わるだけでも弱く、簡単に倒壊してしまう危険性があります。
そこで、土台の部分方横架材に届くように、筋交いを行い、壁の強度を高める必要があるのです。

近年までは、筋交いについては設計者や施工者の判断にゆだねられている部分が多く、明確な規定はありませんでした。
でも、1995年に起こった阪神淡路大震災にて倒壊した木造住宅の多くは、筋交いに問題があったといわれています。
そのため、耐震性を考えたときに筋交いが重要であると考えるようになったのです。
筋交いの歴史はとても古いものになり、歴史的な建造物である法隆寺や姫路城などで採用されていたそうです。

筋交いの種類とは

筋交いには大きく分けて2通りの種類があります。

  • 部材を斜めに1本のみかける「片筋交い」
  • クロスするようにかける「たすき掛け」

どちらのかけ方にするのかを決めるのは、住宅の耐震数値をもとにします。

建築基準法にて定められている基準があり、新築の場合は筋交いの入っている壁を使うように決められています。
建築基準法施行令第45条によると、筋交いにおける素材や厚さ、幅はもちろん、取り付け方なども明確な基準があります。

バランスを維持しつつ、設置することが義務付けられているのです。
また、筋交いについては端部に使用する金物にも気を配る必要があります。

筋かいは、その端部を、柱とはりその他の横架材との仕口に接近して、ボルト、かすがい、くぎその他の金物で緊結しなければならない

との記載もあります。筋交いに金物が合わさることで、耐震性にも優れた機能が発揮されるのです。

ただし、筋交いを行ったからといって、建物の耐震等級が変わるわけではありません。
建物の多くに耐震性における耐震等級が決められており、見たことがあると思います。
確かに筋交いを入れると耐震性が高まるものの、耐震等級が上がるわけではないのです。

筋交いの設置方法は

足場

足場というのは、あくまでも一時的に使うものです。
そのため、耐震性についても簡易的に行うものになります。
建築物と同じように、構造体の耐震性を強化する目的を持っているため、建築物には欠かせません。
建築基準法によって、一定の割合で筋交いを使用するように義務付けられている部分もあります。

筋交いの設置方法には明確な基準が決められています。
例えば、部分的に筋交いを入れるのではなく、全スパンに八の字に入れていくのがポイントになります。
そのため、一構面を見たときに「八の字」になるように設置することが大切です。
とはいえ、緊結部が塞がってしまうのは足場としてもよくはありません。
これらの理由で必要な位置に設置できないときは、連続しなくても“やむを得ない”とされています。
連続は絶対ではないこと、その状態によって適切なものを選ぶようにしましょう。

筋交いを取り付けるための具体的な手順を紹介します。
筋交いは専門業者に依頼するときもあれば、自分でDIYをしている人もいます。
その場合、まずは筋交いを入れる場所を補強し、必要な材料を揃えていきます。
筋交いに使用する材料は、乾燥していてそりのないものであること、十分な長さや太さのものを準備しましょう。
筋交いを作り(一人の場合はさしがね用意)、筋交いを取り付けていきます。
いずれかをたたきすぎると外れてしまうこともあるので、上下交互にたたきはめこみます。
最後に金具を使って上下や端を固定します。

筋交いの壁倍率とは

そもそも筋交いにおける壁倍率とは、施工したときにどの程度壁の強度が高くなったのかを示すための数値になります。
筋交いの施工をせずに壁に2.0KNの力をかけ変形した範囲(面積)があるとします。
施工後の壁に6.0KNの力をかけ変形した面積が同等であれば、3倍の壁倍率を持っていることになります。
壁倍率は高いにこしたことはありません。
筋交いのサイズによっても壁倍率が変わってくるため、適したものを選ぶ必要があるのです。

まとめ

足場で安全性の高いものを作るための筋交いについて解説しました。
交差する筋交いを取り付けるだけでも耐震性も強くなりますし、強風対策にもつながります。
すべてのスパンに筋交いを入れる必要があるため、足場の種類によっても適切な筋交いを選ぶようにしましょう。
足場が格段に安定するため、作業効率も高くなり安心できるようになります。
間隔をあけずに行うこと、正しい方法で筋交いを設置するようにしてくださいね。

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